
難治性の皮膚疾患に
対応する
光線療法
皮膚科では、かなり以前から紫外線療法という治療法があります。さまざまな方式や大きさの機械がありますが、現在、日本で最も効果が高いとされているのが、紫外線レーザー治療(308nmエキシマレーザー)です。
この治療に用いられる機械は「XTRAC(エクストラック)」と呼ばれ、2022年の段階で日本国内における稼働台数はわずか37台とされています。もちろん、保険適用のある医療機器です。適応疾患としては、尋常性白斑、尋常性乾癬、円形脱毛症、アトピー性皮膚炎などが挙げられます。
富山県内では、この機器を導入しているのは大学病院と当院のみであり、非常に貴重な治療環境となっています。現在、紫外線療法を受けているものの、効果を十分に実感できていない方は、一度ご相談いただく価値があります。
エキシマレーザーの適応疾患
その他の適応疾患
- アトピー性皮膚炎
- 掌蹠膿疱症
- 悪性リンパ腫
- 手湿疹
- 痒疹
施術の流れ
診察
当院を始めてご利用される患者さまには、診察の後に血液検査を受けていただきます。自己免疫疾患や甲状腺機能についての詳細を知る必要があるためです。既に他院で検査を受けている方は、検査結果をご持参いただくことにより、血液検査を省略できる場合があります。
照射
病変部位の状態を確認し、最適な照射エネルギーに設定した上で治療を行います。レーザーを患部に当てている間は、皮膚に赤みが出ますが、この状態が3~4日続く程度の出力が最適な出力のため、ご安心ください。はじめは出力を抑えながら照射し、赤みの度合いを確認しながら、出力を強くします。
患部に対して有効と考えられる波長を、1回につき数秒かけて照射することが普通です。照射面積は約2cm程度ですが、照射時間が短いため、わずか数分でも広範囲の治療を行えます。また、直径3~5mm程度の小さな病変に対しても、ピンポイントの照射が可能です。
なお、治療は全室個室で行うため、プライバシーをお守りできます。
アフターケア
治療後の肌はデリケートで乾燥しやすいため、保湿によるアフターケアが必要です。保湿剤を使用して、1日数回程度のこまめなケアを行いましょう。
紫外線は色素沈着や炎症の原因となるため、外出時には日焼け止めを使用し、できる限り直射日光を避けてください。また、治療部位を擦るなどして刺激を与えることも避けましょう。柔らかい衣類を選ぶといった工夫も必要です。
施術後の注意事項
- 治療前後はできる限り直射日光を避け、外出時には日焼け止めを塗る、日傘を使うなどの対策を徹底しましょう。
- 治療後の皮膚はデリケートな状態です。しっかりと保湿し、刺激の強い化粧品やスキンケア製品の使用はお控えください。
