
細やかな対応が求められる
肝斑との向き合いかた
肝斑は、女性ホルモンや紫外線の影響で主に両頬や額に左右対称に現れる褐色の色素沈着です。通常のしみと異なり、エストロゲンの変動が原因となるため、妊娠中や経口避妊薬の使用で悪化することがあります。治療では、肝斑は通常のしみよりも繊細な対応が必要です。内服薬や外用薬を併用し、ホルモンバランスの改善も重要です。
また肝斑はメラニン色素が真皮層深くまで沈着するため、一般的なしみ治療では効果が出にくく、かえって悪化するケースもあります。適切な診断のもと、紫外線対策を徹底しながら継続的な治療が必要です。
肝斑ができる原因

ホルモンバランス
妊娠や出産、ピルの服用、更年期などで女性ホルモンが変動すると、メラニンが過剰に作られ、左右対称に広がるしみが現れます。紫外線やストレスも悪化要因となるため、日頃のスキンケアと生活習慣の見直しが大切です。

摩擦
洗顔やクレンジングで強くこすったり、マスクやタオルによる日常的な刺激が、肌にダメージを与え、メラニンの生成を促進します。特に肝斑は刺激に敏感なため、やさしく触れることが大切です。スキンケアは摩擦を避けることを意識しましょう。

紫外線
紫外線を浴びると、肌を守るためにメラニンが生成されますが、ホルモンバランスの乱れと重なると過剰に反応し、肝斑が悪化することがあります。特に顔の左右対称に広がるのが特徴です。日焼け止めや帽子などで、日常的な紫外線対策を心がけましょう。
肝斑の治療方法
内服薬
肝斑の治療には、内服薬が効果的な方法のひとつです。特に、トラネキサム酸はメラニンの生成を抑える作用があり、肝斑の改善に用いられます。ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化作用をもつ成分と併用することで、さらに効果が期待できます。
内服薬は肌の奥から作用するため、外用薬やスキンケアと併せて行うことで、より高い治療効果が得られます。医師の指導のもと、正しく継続することが大切です。
外用薬
肝斑の治療には、塗り薬(外用薬)も有効な方法のひとつです。代表的な成分には、メラニンの生成を抑えるハイドロキノンや、炎症を抑えるトラネキサム酸、肌のターンオーバーを促すレチノールなどがあります。これらを含む外用薬は、シミの原因に直接アプローチし、徐々に色素沈着を薄くします。
毎日のスキンケアに取り入れやすく、副作用を防ぐためにも医師の指導のもとで使用することが大切です。
エンビロン
エンビロンは、ビタミンA(レチノール)を中心としたスキンケアブランドで、肝斑の予防や改善にも役立ちます。
ビタミンAには、肌のターンオーバーを整え、メラニンの排出を促す効果があります。また、紫外線によるダメージをケアし、肌のバリア機能を高める働きもあります。
エンビロンは段階的に濃度を上げて使うため、肌への負担を抑えつつ、健康的な肌へ導いてくれます。専門的なカウンセリングのもとで使うのが安心です。
肝斑治療の流れ
カウンセリング
医師が丁寧に診察し、肝斑の原因を特定して、最適な治療方法をご提案します。
患者さまの生活習慣も考慮した上で、適切な治療計画を立てます。
治療
内服薬(トラネキサム酸)や外用薬(ハイドロキノンなど)を使用して治療します。
これらの薬にはメラニンの生成を抑える効果があり、しみの改善が期待できます。スキンケアの見直しを並行することも可能です。
施術後のケア
肝斑の再発防止を目的として、紫外線対策や生活習慣の改善に向けたアドバイスを行います。
定期的に診察を行い、効果を確認しながらケアの内容を調整します。
肝斑治療の費用
※掲載の費用は1ヶ月分の税込の金額です。
| シナール | 1,320円 |
|---|---|
| トランサミン | 1,650円 |
| ナノHQクリーム(ハイドロキノン4%) | 2,200円 |
| シスペラ(システアミン) | 297,000円 |
| 治療期間 | 約6ヶ月 |
|---|---|
| 来院回数 | 3ヶ月に1回 |
リスク・副作用
- 肝斑の改善には通常数ヶ月を擁します。また、治療を中断すると、再発する可能性があります。
- 内服薬や外服薬の使用により、肌の乾燥や赤み、かゆみなどの症状が出る場合があります。刺激の強い成分には要注意です。
- 紫外線を浴びると肝斑が悪化しやすいため、治療中は日焼け止めなどの紫外線対策が必須です。
- 保険適用外の自由診療となります。
肝斑の予防には紫外線防御が最優先

肝斑を予防する上で重要なのは、紫外線対策を徹底することです。特に午前10時~午後2時は紫外線が強いため、外出は極力控えましょう。
外出時の対策としては、SPF30以上の日焼け止めを顔全体に塗ることや、帽子や日傘を活用することが有効です。日焼け止めの効果は汗などにより落ちるため、2~3時間置きに塗り直すことをおすすめします。
これらの予防策を実践することにより、肝斑の進行を防ぎやすくなります。
